2021.5.14Fri - 2021.6.24Thu
H.P.FRANCE WINDOW GALLERY MARUNOUCHIより、加藤崇亮個展「Bathroom Forest」開催をご案内申し上げます。
連続する動きの中の一コマを独自の感覚で描きとり、時間・映写・記憶をテーマに制作を続ける加藤崇亮。
近年の加藤の作品の大きな特徴として挙げられるのは、立体的なボックス型の絵画であるということです。これは加藤自身が「映像的絵画」と呼ぶもので、支持体であるキャンバスに厚みを持たせ、上下左右の画面にも異なる瞬間を描き込んでいます。この多面的な展開は、作品に時間を含ませ、鑑賞者に時間を行き来するかのような感覚を与えます。
大胆に構成された画面に律動をもたらす要素の一つとして、加藤が意識的に発生させる「版ズレ」が挙げられます。マスキングなどで対象物のアウトラインを形取り、あえて背景との間に余白を残した状態で描くことで、作品にわずかにアナログなノイズを加えています。ディテールを剥ぎ取った抽象的なモチーフは、ゆらぐような表情を漂わせています。
「Bathroom Forest」と題した本展では、私たちの日常的営みに溶け込む浴室と、どこか空想的な印象をもたらす森林という、異なるイメージを持った空間を掛け合わせることで「時間」を発生させることに挑戦しています。
2012年よりクリエイティブユニット「エンライトメント」に参加、デザインコンサルティングカンパニー「チカビ」所属と、アートディレクター・グラフィックデザイナーとしても幅広く活躍を続ける加藤の作品を、ぜひこの機会にご高覧ください。
Artist’s comment
「時間」を絵の中で発生させたいと考えています。
人は何かを見ている時に、現実の風景だけを見ているとは限りません。
何か考えごとをしていたり、過去を思い出したりしていることもあるでしょう。
つまり2つの映像がオーバラップしている状態があるということです。
その「現実」と「空想」の行き来する時に「時間」が発生していると考えました。
バスルームは私の中で、自分が動物だということを思い出させてくれる「現実」を象徴するモチーフです。
森林は、戻ることのできない断絶された過去を象徴する「空想」のモチーフです。
その2つのイメージを行き来する時に、私の中では大きな「時間」が流れています。
– 加藤 崇亮
加藤崇亮/Takaaki Kato
1985年東京生まれ。幼少期をドイツ・デュッセルドルフで過ごす。
麻布学園、多摩美術大学造形表現学部デザイン科卒業。
2012年よりエンライトメントに参加し独立。 チカビ所属。
映像的絵画を目指し、時間・映写・記憶をテーマにした絵画を制作している。
instagram: https://www.instagram.com/tka_ki/?hl=ja
展示暦
2012-2018年 Here is ZINE 展(TOKYO CULTUART by BEAMS)8~16まで参加
2016-2020年 HILLS ZINE MARKET(六本木ヒルズアートアンドデザインストア) 1~4まで参加
2017年 UNKNOWN ASIA参加
2018年 2人展 加藤崇亮+峯山裕太郎「House and Pineapple」(visiontrackプライベートギャラリー)
2020年 WAVE2020参加(3331 Arts Chiyoda)
2020年 independent tokyo 2020参加
2021年 NEWoMan YOKOHAMA Window Display展示「Stretched tree 引き伸ばされた木」
受賞歴
2012年 Here is ZINE 8 入選
2012年 UNKNOWN ASIA Art Exchange Osaka 2017 茶谷文子賞
2020年 independent tokyo 2020 審査員特別賞 坂井俊之賞
〒100-6301 東京都千代田区丸の内2-4-1 丸の内ビルディング1F
tel 03-3797-1507
email art@hpgrp.com
open 平日・土曜 11時〜21時 / 日曜 11時〜20時
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