2021.9.1Wed - 2021.10.2Sat
hpgrp GALLERY TOKYOより、金沢を拠点に活動する若手漆造形家、鵜飼康平の新作展「Merge」の開催をご案内申し上げます。
金沢工芸大学在学中に漆と出会った鵜飼は、その素材が持つ歴史や、多くの工程を少しづつ積み重ねるプロセスに魅了されました。素地として使用する木から形を削り出し、樹液である漆を塗り重ねることで作品を仕上げます。木の自然な造形、その形を生かして自ら彫り込んだ痕跡、そこに塗られる漆と、「自然なことの連続の結果として」生まれた作品は、有機的な美しさとプリミティブな力強さを合わせ持っています。
国際的なアルチザンの発掘と支援を目指し、世界規模で開催されるロエベ ファンデーション クラフトプライズの2020年ファイナリストに選出されるなど、近年その注目度が高まっている鵜飼康平。hpgrp GALLERY TOKYOでは初の個展となるこの機会にぜひご高覧賜りますようお願い申し上げます。
アーティストコメント:制作について
漆は木の樹液で、木の傷口を塞いで守る役割を果たします。その性質を利用して、古くから天然の接着剤や塗料として、日本では主に箱やお椀などの器物に用いられてきました。私はこの漆という素材を造形表現に用い、制作を行ってきました。木や繊維、金属など様々な素材が支持体として用いられる中で、木を選択しています。木と漆のシンプルな関係性や、また、木を彫って形づくることで手の痕跡を残すことが出来る点が、木を用いている理由です。
それ自体では決まった形をもたない漆が、木と合わさることで形を得て、また、木は漆に包まれ、守られます。作品制作においても、これらの素材の関係性に着目しています。
漆を塗る度に表情を変え、木が包み込まれていく様子に心地よさを覚えます。また、漆を塗る・研ぐという単純な行為の繰り返しの中で、自分でも意図しない形態が現れます。偶然性を拾いながら、意識と無意識のあいだを行き来するような感覚があります。私はこのことに人間らしさを感じています。こういった感覚をもとにして近年制作している「融」シリーズを中心に展示致します。
ー 鵜飼 康平
「融 21-14」
楠、麻布、漆/H290×W200×D160mm/2021
1993 愛知県生まれ
2016 金沢美術工芸大学 美術工芸学部 工芸科 卒業
2018 金沢美術工芸大学大学院 美術工芸研究科 工芸専攻 修了
2021 金沢卯辰山工芸工房 修了
現在 金沢市にて制作
入選・受賞
2021 国際工芸アワードとやま 入選
2020 ロエベ財団クラフトプライズ2020 ファイナリスト
2020 国際漆展・石川2020 入選('17'14)
2019 2019湖北国際漆芸三年展「大漆世界 器・象」入選
2019 2019金沢・世界工芸コンペティション 入選
2018 金沢美術工芸大学修了制作展 審査員特別賞
2018 日本漆工協会 漆工奨学賞
2016 金沢美術工芸大学卒業制作展 学長賞
所蔵
金沢美術工芸大学/石川
湖北美術館/中国・武漢
個展
2021 作家特集 鵜飼康平展 Art Shop 月映/石川(’17)
2016 GALLERY b. TOKYO/東京
アートフェア
2019 アートフェア東京2019 東京国際フォーラム/東京
2019 KOGEI Art Fair Kanazawa 2019 KUMU Kanazawa/石川
2018 ART in PARK HOTEL TOKYO 2018/東京
2018 Selected Art Fair 2018 蒐集衆商 Spiral/東京
グループ展
2020 現代漆芸2020 金沢市立安江金箔工芸館/石川
2020 国際漆展・石川2020 しいのき迎賓館・石川県立輪島漆芸美術館/石川('17,'14)
2019 漆表現の現在vol.2 日本橋高島屋美術画廊X/東京
2019 みらいを創るArt展 EIZO株式会社/石川
2019 しろ[素]きかたち 素材からアートへ Gallery Land's End/兵庫
2019 FORM 石川国際交流サロン/石川
2018 「Three Sculptors」 hpgrp GALLERY TOKYO/東京
2018 坂の上のArt展 料亭仁志川/石川
2018 金沢・漆の物語NEXT 松坂屋名古屋店/愛知
2018 生新の時 2016 石川県立輪島漆芸美術館/石川('16)
2016 金沢21世紀工芸祭 工芸回廊 石川県立歴史博物館/石川
2016 次世代工芸展 京都市美術館別館/京都
2016 会津・漆の芸術祭 松本家蔵/福島('14)
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